フレネルゾーンをやさしく解説
― 一等学科の計算問題を丸暗記で攻略

2026年10月28日 ・ 水原康雄(AUTCドローンスクール関西)

一等の学科で出るフレネルゾーンの計算は、2.4GHzなら R = √(D ÷ 32) を覚えるだけで解けます。この記事では、その公式がどこから来るのかを、数式が苦手な人でも分かるように解説します。

電波は「線」ではなく「太さ」がある

送信機と受信機を結ぶ電波は、まっすぐな一本の線のようにイメージしがちです。実際には、電波はその線のまわりに「太さ」を持って飛んでいます。この太さの部分が、フレネルゾーンです。

フレネルゾーンとは ― ラグビーボール形の空間

フレネルゾーンは、送信点と受信点を両端にした、ラグビーボールのような形の空間です。真ん中がいちばん太く、両端に近づくほど細くなります。

フレネルゾーン 見通し線 R(半径) 送信(プロポ) 受信(ドローン) D(アンテナ間距離)
フレネルゾーンの形 ・ 送受信点を両端とする楕円体

試験で問われる「半径 R」は、いちばん太い真ん中での半径のことです。太さは、波長が長いほど、距離が遠いほど大きくなります。

なぜ大事なのか ― 半径の60%を空ける

フレネルゾーンに地面や木、建物が食い込むと、見通しがあっても電波は弱くなります。「相手が見えているのに通信が不安定」という現象の正体の一つがこれです。

ただし、ゾーンを全部空ける必要はありません。半径の60%以上が空いていれば、障害物がない場合とほぼ同じ品質が得られるとされています。教則にも書かれている数字なので、「60%」は数字ごと覚えておきましょう。

計算してみる ― 教則の例題

教則には、アンテナ間距離 D = 100m、周波数 2.4GHz の例が載っています。答えは半径 R ≒ 1.77m、必要なアンテナの高さは60%で ≒ 1.1m です。まずはこの例で、計算の流れを追っておきましょう。

  1. 波長を求める。光の速さ 3×108 m/s を周波数 2.4×109 Hz で割り、λ = 0.125m。
  2. 教則の公式に入れる。
R = √( λ × (D/2)² × 1/D ) = √( λD / 4 )
= √( 0.125 × 100 / 4 ) ≒ 1.77 m
  1. 60%を掛ける。必要な高さは 1.77 × 0.6 ≒ 1.1m 以上。

丸暗記公式 ― これだけ覚えればOK

教則の式を整理すると、もっとシンプルな形になります。覚えるのは次の2つだけです。

フレネルゾーンの「直径」は √(波長×アンテナ間距離)。どの周波数でも使える基本形です。

2.4GHzなら波長 0.125m ÷ 4 = 1/32 なので、半径は √(距離÷32)。波長の計算すら不要になり、検算にも便利です。

よく使う距離での早見表です(2.4GHz)。

アンテナ間距離 D (m)半径 R (m)60%の高さ (m)
100(教則の例)1.771.1
2002.501.5
5003.952.4
1,0005.593.4

距離が4倍になっても半径は2倍にしかならない、という「√の感覚」もつかんでおくと、選択肢の見当がつけやすくなります。

ドローンの現場と試験での使いどころ

プロポは手元で地面から1m前後、機体が遠くで低く飛ぶほど、ゾーンの下半分が地面や草木にかかりやすくなります。「見えているのに電波が弱い」ときは、高度を上げるか、操縦者が開けた場所へ移るのが基本の対処です。

試験対策としては、次の3点を押さえておけば十分です。

  • 直径 = √(波長×距離)、半径はその半分
  • 2.4GHzなら R = √(D÷32)、100mで約1.77m
  • 必要なのは半径の60%以上(100mなら約1.1m)

計算問題全般のコツは、伝説のあんちょこ 計算問題のコツ(PDF)にまとめています。

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