八の字飛行の思考実験

八の字を四角で回ると、
何点引かれるのか?

結論から言うと、菱形で回れば減点区画には一度も入らず、角の減点を全部取られても12点です。ただし、それで済むとは限らない理由も細則の中にあります。

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円がどうしてもカクカクになる

練習会でよく聞く悩みがあります。「円がどうしてもカクカクになる」「丸く回そうとするほど膨らむ」。八の字飛行は、多くの受講生が最後まで苦手意識を持つ科目です。

そこでふと思ったわけです。いっそ最初から四角で回ったら、何点引かれるんだろう? 今回は息抜きに、二等の実地試験実施細則を片手に本気で採点してみます。


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八の字のルールをおさらい

二等(基本)の八の字飛行は、直径約5mの円を2つつなげたコースを、機首を進行方向に向けたまま連続して2周します。高度は1.5mです。

減点区画は、経路から外側・内側それぞれ1.5mのところに引かれています。外側は2つの円をまとめて囲む13m×8mの長方形、内側は各パイロンを中心にした直径2mの円です。さらに外側、経路から2.5mのところからは不合格区画になります。

1.5m 1.5m 経路(直径5m) 内側区画(直径2m) 交点H 13m 8m
青線が経路、赤の破線が減点区画線。交点Hは離着陸地点

機体の半分以上が減点区画に入ると5点減点です。外側ばかり気にしがちですが、内側にも区画があるのは意外と知られていないポイントです。


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思考実験:菱形で回ってみる

直径5mの円に内接する正方形は、一辺約3.54mです。これを45°回して菱形として置くと、上下左右の4つの角がすべて円周に乗ります。

最大ずれ 約0.73m 内側区画まで 約0.77m 交点Hは直進 ● 曲がる角(1周に6つ) 緑線 菱形ルート 赤破線 減点区画線
菱形の4つの角は円周上。交点Hでは左右の辺が一直線につながる

円周から内側に一番ずれるのは各辺の真ん中で、中心から約1.77m。経路(半径2.5m)とのずれは最大約0.73mで、許容の1.5mの半分以下です。内側区画(半径1m)までは約0.77mの余裕が残ります。外側は、菱形の角がちょうど経路上にあるので、長方形まで1.5mが丸々残ります。

さらにうれしいのが交点Hです。左の菱形の辺と右の菱形の辺が一直線につながるので、Hは曲がらずに直進で抜けられます。円で回るときに一番慌てる切り返しが、菱形だと消えてしまうわけです。


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実際に採点してみる

細則の減点適用基準に当てはめると、菱形ルートで関係しそうなのは次の3つです。

減点細目減点菱形ルートでは
飛行経路逸脱(減点区画への進入)5点入らないので0点
不円滑(急な旋回など)1点角で取られる可能性あり
機首方向不良(一時的に機首がずれる)1点角で機首が遅れると対象

曲がる角は、交点Hを除いて片方の円に3つ。八の字1周で6つ、それを2周で合計12回です。仮に全部1点ずつ取られても12点。実地試験は100点の持ち点からの減点式で、70点以上を残せば合格なので、八の字だけで見れば十分な余裕があります。

比較として、円を攻めて膨らみ、区画に2回入った場合を考えます。飛行区画ごとの初回の進入は、試験員から知らされて概ね2秒以内に経路へ戻れば減点されません。それでも2回とも減点されれば10点。ここにふらつきの1点が重なれば、菱形の試算とほとんど変わらない数字になります。

同じ細目を角ごとに何回取るかは試験員の判断です。ここでの数字は、あくまで「角の減点を全部取られたら」の試算です。


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ただし落とし穴もあります

良いことばかりに見える菱形ルートですが、気をつけたい点が3つあります。


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本当に言いたいこと

ここまで読んで「じゃあ四角で回ればいいのか」と思ったら、ちょっと待ってください。言いたいのはそこではありません。

大事なのは、減点の重さの違いです。区画に入れば5点、ふらつきや不円滑は1点。円が崩れそうになったとき、無理に丸く戻そうとして区画に飛び出すより、多少カクついても区画の内側で落ち着いて飛ばしたほうが点は残ります。

試験中に焦ったら「区画に入らなければ大丈夫」と思い出す。それだけで操縦はずいぶん落ち着きます。

まとめ

  • ›八の字の減点区画は、経路から外側・内側とも1.5m。内側にもある
  • ›菱形は区画に入らず、角の減点を全部取られても12点という試算になる
  • ›ただし中心を含まない周回は不合格。菱形そのものが減点される余地もある
  • ›区画進入は5点、ふらつき・不円滑は1点。焦ったら区画の内側に留まる

おわりに

AUTCドローンスクール関西では、能勢町B&G海洋センターで練習会を開いています。実際に菱形で回ってみたい方も、ちゃんと円で回れるようになりたい方も、ぜひどうぞ。練習会の日程は、LINE公式アカウントと、このページ下のカレンダーでお知らせしています。

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