資格を取ってしばらく経つと、「DID上空は何があれば許可・承認なしで飛べたか」「150mは何からの高さか」があやふやになってきます。二等の実地試験の最初の科目、机上試験(飛行計画の作成)でよく問われる論点をピックアップしました。
選択肢を選ぶと、その場で正誤と解説が出ます。回答はこのページの中だけで採点し、どこにも送りません。
教則の参照番号は第5版(令和8年7月14日適用)のものです。
- Q1 法規(許可・承認が必要な飛行) 基本
日の出5:40/日没17:50の日、飛行予定時刻は17:30〜18:00。操縦者資格は二等(日中飛行限定・目視内飛行限定あり)、機体は第二種機体認証。立入管理措置を講じてDID上空を目視内で飛行する。飛行前に国の許可・承認が必要なのはどれか。
ヒント
飛行の終了時刻と日没時刻を比べてください。
17:50以降の飛行は夜間飛行にあたり、日中飛行限定の資格ではカバーできません。DID上空は、機体認証・技能証明に立入管理措置を組み合わせれば許可・承認なしで飛行できます。
- Q2 法規(許可・承認が必要な飛行) 夜間
夜間飛行対応の機体認証と、日中飛行限定なし・目視内飛行限定ありの資格を持っている。山の斜面に沿った経路のうち、操縦者から見て死角になる区間の近くに補助者を置く計画である。許可・承認が必要になる飛行はどれか。
ヒント
「死角」という言葉が意味することは?
死角を飛ぶ区間は目視外飛行になります。補助者を置いても操縦者本人の目視にはならないため、目視内飛行限定の資格では許可・承認が必要です。夜間は資格と機体認証でカバーされています。
- Q3 法規(許可・承認が必要な飛行) 目視外
谷間(標高約250m)から離陸し、海抜480mの一定高度で尾根の上空を飛行する。経路直下の地表の標高は280〜330m程度である。該当する飛行はどれか。
ヒント
航空法の「150m」は何からの高さでしょうか。
規制の対象は「地表若しくは水面から150m以上の高さの空域」(対地高度)です。480−330=150mで、最も高い地表の上でも150mに達し、谷側ではさらに高くなります。「標高150m以上」は定番のひっかけ選択肢です。
- Q4 法規(許可・承認が必要な飛行) 25kg以上
最大離陸重量25kg以上の機体の限定を解除した資格と、それに対応する機体認証を持っている。水田で農薬散布を行う場合、許可・承認が必要になる飛行の方法はどれか。
散布は物件投下に該当します。説明文に「散布」「投下」とあれば、まず物件投下を疑ってください。なお最大離陸重量25kg以上の機体では、資格と機体認証があっても特定飛行には許可・承認が必要です。農薬は危険物輸送にもあたります。
- Q5 周辺環境・運用 共通
地形図を見ると、飛行経路の近くに次の施設がある。地磁気センサへの影響に特に注意が必要なのはどれか。
ヒント
鉄や電流を多く使っている施設はどれでしょう。
地磁気の検出には鉄や電流が影響し、高圧線・変電所・電波塔・鉄道などが代表例です(教則4.5.2(2))。機体の姿勢や進行方向に影響することがあります。試験では地形図の記号から見つけ出す力が問われます。
- Q6 諸元超過・機体特性 基本
諸元は「飛行可能風速7m/s未満、電波到達距離1000m、最大離陸重量15kg」。飛行当日の予報は風速7〜8m/s、経路は最遠でも操縦者から400m、離陸重量は12kg。超える可能性があるのはどれか。
「〇m/s未満」の上限に対して、予報の下限値がすでに上限と同じ値です。「未満」は等しい値を含みません。
- Q7 諸元超過・機体特性 基本
最大離陸重量12kgの機体で、機体重量8.5kgにカメラ1.5kgを載せる計画である。顧客から「カメラを2.5kg重いものに替えたい」と要望があった。超えるのはどれか。
8.5+1.5+2.5=12.5kgとなり、12kgを超えます。
- Q8 諸元超過・機体特性 25kg以上
大型機の諸元は「最大離陸重量30kg、最大搭載可能重量8kg」。計画は機体重量20kg、搭載重量9kg。超えるのはどれか。
ヒント
合計重量と搭載重量を別々に確認してください。
合計は29kgで30kg以内ですが、搭載重量9kgは上限の8kgを超えています。合計だけ確認して安心してしまうのが典型的なミスです。
- Q9 諸元超過・機体特性 目視外
電波到達距離300mの機体で目視外の自動飛行を行う。図では、操縦者位置から最も遠い経路までおよそ500mある。問題となるのはどれか。
縮尺バーを使って最遠点までの距離を見積もります。目視外区分でよく出る論点です。
- Q10 諸元超過・機体特性 夜間
夜間は周囲が暗いため機能しないおそれがあり、衝突回避や姿勢安定などの安全機能が使えなくなる可能性があるセンサはどれか。
ヒント
カメラで周囲を「見る」センサです。
ビジョンセンサは光に頼るため、夜間に対応していない場合は衝突回避や姿勢安定などの機能が使えなくなることがあります(教則4.2.1(1))。
- Q11 法規(許可・承認が必要な飛行) 夜間
飛行範囲が照明で十分に照らされていない場合、夜間飛行に使う機体に求められる装備はどれか。
夜間飛行に必須の装備です(教則4.2.1(2))。「その有効性を飛行前に確認する」という文脈もあわせて覚えてください。
- Q12 周辺環境・運用 夜間
夜間に海上を飛行する際、操縦者の目視だけでは船舶の往来を把握しにくい。適切な対策はどれか。
夜間に視認性を確保する手段として適切なのは補助者の配置です。機体側の装備では周囲の船舶の監視を代わりに行えません。
- Q13 フェールセーフ・自動飛行 共通
電波が途絶えたときのフェールセーフとして自動帰還を設定する。帰還経路の近くに鉄塔がある場合、特に確認すべき設定はどれか。
自動帰還は直線的に戻ることが多いため、障害物を避けられる高さに設定する必要があります。空港の水平表面が設定されている空域では、逆に上限側の高度にも注意が必要です。
- Q14 フェールセーフ・自動飛行 目視外
山間部の谷間で自動飛行(目視外)を行う。飛行前の現地確認、空中停止・自動着陸などのフェールセーフ、手動操縦への切り替えを準備しておく必要があるのは、何が起こりうるからか。
谷間は空が開けておらず、衛星の電波を受信しにくくなります。「谷間」という語が出たらGNSSの受信低下を思い浮かべてください。
- Q15 法規(許可・承認が必要な飛行) 基本
羽田空港の近くで飛行する。水平表面などの制限表面に加え、何に基づく飛行禁止にも抵触しないことを空港管理者に確認する必要があるか。
主要な空港は小型無人機等飛行禁止法の対象施設に指定されています。航空法の制限表面とは別の規制です。
- Q16 周辺環境・運用 基本
予報では6:00〜8:00に濃霧で視程50mとなる見込みで、飛行予定は7:00〜7:30。取るべき対応はどれか。
悪天候の時間帯に重なっている場合は、その時間帯を避けるのが正攻法です。雨の場合も同じ考え方で解けます。
- Q17 諸元超過・機体特性 25kg以上
最大離陸重量が25kgを超える大型機で、高速道路の近くを飛行する。障害物までの距離を確保するなどの追加安全対策が必要になる理由として、最も適切な特性はどれか。
ヒント
「障害物までの距離」と結びつくのはどの特性でしょう。
大型機は慣性力が大きく、上昇・降下や加減速に要する時間と距離が長くなります(教則4.1.4(2))。同じ箇所に「騒音が大きく周囲への影響範囲も広がる」ともあるので、問題文が「周辺への配慮」を求める場合は騒音が正解になります。問われている文脈で選び分けてください。
- Q18 周辺環境・運用 目視外
物資輸送のため、港外の航路を横切って海抜30mで目視外の自動飛行を行う。海上の立入管理措置として、港湾管理者と運航会社(船舶関係者)と調整し、飛行時間中は立入管理区画内を船舶が航行しないよう取り決めている。ところが、この海域を通る大型船は高さ50m程度あることが判明したため、海上のウェイポイントを海抜60mに変更する。あわせて必要な対応として最も適切なものはどれか。
ヒント
この計画では、海上の「立入管理」をどうやって実現しているでしょうか。問題文から探してください。
海上では柵や看板で区画を作れないため、船舶関係者と調整して区画内を航行させないことが立入管理措置そのものになります。飛行高度を上げると、万一落下したときに機体が及ぶ範囲が広がるため、立入管理区画を拡大する必要があります。区画が船舶関係者との取り決めで成り立っている以上、広がった範囲についても調整をやり直さなければなりません。速度を上げる、センサを校正する、ガードを付けるといった対策では、落下範囲の拡大には対応できません。
まとめ
- ›DID・夜間・目視外は、資格の「限定」と機体認証で何がカバーされているかを先に確かめる
- ›150mは標高ではなく、地表または水面からの高さ
- ›「未満」は等しい値を含まない。重量は合計と搭載量を別々に見る
- ›「散布」は物件投下、「死角」は目視外、「谷間」はGNSSの受信低下